Claude Codeにメール処理を任せる
ここ1週間ほど、メール処理とスケジュール管理に Claude Code を使っている。ホリデーシーズンは何かと慌ただしく、気付けば常に遅れ気味。受信箱は「重要」扱いしたメールであふれ返り、一向に減らない――ストレスは今も続いている。

ちょうど zo.computer のローンチ(面白い!)を見かけて、「そういえば Pipedream に、対応サービスなら何でもつなげられる MCP サーバーがあったな」と思い出した。つまり、これでメールも扱える! 問題は解決! …と思ったら今度は別の問題が発生! …しかも次々に増える! なんで数えてるんだ!
どうして? なぜ? そして人類は絶滅に向かっている
俺はメールが好きだ。普段はうまく回せるんだけど、量が爆発すると放置してしまい、状況は悪化――みんなが損をする。
要は、気負わずにメールを始められる仕組みが欲しかった。Claude Code を使うとそれがすごく楽になる。
- 必要な MCP サーバーにつないだ Claude Code セッションを起動
- 「受信箱をチェックして」と頼む
- 未読→既読の順で対処すべきメールを教えてくれる
- 「処理を始めようか?」と提案するか、関連情報やカレンダーを調べつつ賢く下書きを作り始める
- 「完了!」と報告
- メールクライアントで下書きを確認。大半は軽く手直しして送信、いくつかは却下
- 繰り返す
- Bacon(訳注:原文お決まりのオチ)
たとえば「兄貴から感謝祭の予定を聞かれてるよ」と教えてくれたら、「了解。“行くよ。ターキーのジュース──つまりスタッフィング──を持っていく” と伝えて」と返すだけ。すると過去メールの文体を学習したうえで、ほぼそのままの下書きを作ってくれる。
必ず「下書き」として保存し、送信前にしっかり確認する。
コードを書かせるのはぜんぜん平気だけど、友だちや取引先に送るメールを丸投げできるほどには信用していない。あと一歩で YOLO モード(自動送信)に行けそうだけど、まだ様子見。別アドレスで試すかも? 誰にもわからん。
驚くほどよく働く。ただし落とし穴もある。
笑えない笑い話
少し前、自作コードでメール仕分けエージェントを試作していた。そこそこ動くが完璧ではなかった。そんな折、友人経由で「AI についての本を書ける人」を探している方を紹介された。エージェントは「AI の影響を懐疑的かつ学術的に論じられる著者希望」と要約。俺は「面白いけど自分向きじゃない。友人を紹介しよう」と思った。
ところがバグで、エージェントが確認前に下書きを作り、そのまま送信。「ぜひ私にやらせてください」という超フォーマルなメールが相手に届いた。相手は大喜びで「やりましょう!」。そこで自分のミスに気付き、「すみません、エージェントが先走って返事しました。本当はこう言いたかったんです」と送信。相手からは当然「F U(くたばれ)」と返ってきた。
こいつらは完全には信用できない
だから今回は慎重だ。エージェントには「送信禁止・下書きのみ」の権限しか与えていない。今のところ全メールを少しずつ直しているが、手直しは徐々に減っている。1年前のコード生成と同じ感覚だ。
今のところかなり快適。普通なら放置しがちなメールを一気に片付け、本当に返信したいメールに集中できる。ベンダーやサービス系の雑草を刈り取り、友人とのやり取りという花を守る――理想的な AI の使い方。おすすめ。
俺の環境を複製する?(挑戦者求む)
毎回ゼロからは面倒なので、超シンプルな Claude Code “ディレクトリ” を作った。受信箱の仕分けに必要なものはほぼ入っている。
📁 .
├── 📁 .claude
│ ├── 📄 CLAUDE.md
│ ├── 📄 settings.json
│ └── 📁 skills
│ ├── 📁 crm-management
│ │ └── 📄 SKILL.md
│ └── 📁 email-management
│ └── 📄 SKILL.md
├── 📄 .mcp.jsonいくつか要点を押さえておく。
CLAUDE.md
ここは超パーソナルで超重要。まず過去数百通の送信メールを Claude に読ませ、「俺のメールのノリ」をつかませた。やり取りの末、今はこうなっている。
1. **スレッドを探す**: 元メール/スレッドを検索して文脈を把握
2. **詳細を取得**: thread ID・message ID・宛先アドレスを取り出し正しく紐付け
3. **カレンダー確認**: イベントがあればカレンダーに追加
4. **メールを下書き**:
- **重要**: `To:` アドレスを必ず明示(MCP は自動抽出しない)
- とことん簡潔に(必要なら温かみをプラス)
- Harper の声を再現(カジュアル・直球・無駄なし)
- 署名やあいさつは不要
5. **必ず下書き保存**: 直接送信しない
6. **正しくスレッド化**: thread ID と in-reply-to message ID を必ず指定
7. **フィードバックで更新**: Harper が直したら反映スキル
大量のメールを処理しながらコーチングし、いい感じになったところで Claude に「スキル」としてまとめさせた。
## コア原則
1. **常に下書き・決して即送信しない**
2. **スレッド紐付けは生命線**
3. **Harper の声を厳守** ― 超簡潔・カジュアル・署名なし
4. **構造化データを抽出** ― イベント・アクション・連絡先など## 成功の判定基準
- 下書きが正しいスレッドに入っている
- Harper が「問題なし」と言って修正不要
- カレンダーが自動で更新されている
- 受信箱サマリーで重要メールが浮き彫り
- 全体として効率的で自然に感じる## 覚えておくこと
Email は Harper の声で行う個人的コミュニケーション。
時間を節約しつつ「本人らしさ」を保つのが目標。
迷ったら:短く、ラフに、まず下書き。Claude 自身にスキルを書かせるのは本当に便利。とにかく反復が大事。
ツール!
MCP という概念にはまだムッとするけど、便利すぎて使わざるを得ない。Claude Code にツール一式を渡すと仕事がはかどる。
{
"mcpServers": {
"pd": {
"type": "http",
"url": "https://mcp.pipedream.net/v2"
},
"pagen": {
"type": "stdio",
"command": "pagen",
"args": ["mcp"],
"env": {}
},
"toki": {
"type": "stdio",
"command": "toki",
"args": ["mcp"],
"env": {}
},
"chronicle": {
"type": "stdio",
"command": "chronicle",
"args": ["mcp"],
"env": {}
}
}
}Pipedream
Pipedream MCP はとても簡単。Claude Code に追加して認証し、各サービスをつなぐと MCP ツールとして使える。俺は Gmail・Google Calendar・Contacts を接続中。
その他:自作 MCP サーバー3種
Toki
CLI ベースのシンプルな TODO トラッカー(将来的に複数バックエンド対応予定、今はローカルのみ)。
- harperreed/toki
brew install harperreed/tap/toki
Chronicle
エージェントの行動を全部ログに残すツール。
- harperreed/chronicle
brew install harperreed/tap/chronicle
pagen
CRM をうっかりミススペルした personal agent バックエンド。
- harperreed/pagen
brew install harperreed/tap/pagen
まとめ
強力なスキル、CLAUDE.md、そして MCP ツールの三位一体で、メール仕分けがかなり楽になる。完璧ではないが十分便利。試す価値はあるが、盲信は禁物w
やってみる?
このセットアップ用にシンプルなプラグインを作った。インストールするだけで動くはず!
インストール手順:
/plugin marketplace add harperreed/office-admin-claude
/plugin install office-admin
/setup-office-admin※YMMV(結果は人によって異なります)
これは間違いなく未来だ
好き嫌いに関係なく、エージェント型メールは来る。今は黎明期だから、俺みたいにカスタム体験を作る人が増えるだろう。Google も Gmail に直接機能をねじ込んでくるはずだが、たぶん微妙に動かない。ベストなのは Mimestream や Superhuman のような「エージェント前提」クライアントだと思う。チャット UI だけになるのは勘弁だけど、さてどうなるか。
大量のメールを抱えているならぜひ試してみてほしい。俺は雑草(ビジネスローンの勧誘など)を刈り取り、みんなという花を守るための「brush clearing」として使っている。
プライバシー? 何それ?
メールは Pipedream と Anthropic を経由している。プライバシー上の懸念はある。早くローカルで動かし、Google Workspace と直接やり取りできる MCP サーバーが欲しい!
用心してね

他人に影響する権限をエージェントに渡すのは本当に怖い。俺の場合はうまく機能しているが、試行錯誤の中で盛大にやらかしたこともある。
受信箱はいまピッカピカ。DO NOT SEND ME EMAILS! IT IS BEAUTIFUL!
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