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ハーパー・リードのブログ

Claude Codeにメール処理を任せる

· 331 単語 · 2 分 ·

ここ1週間ほど、メール処理とスケジュール管理に Claude Code を使っている。ホリデーシーズンは何かと慌ただしく、気付けば常に遅れ気味。受信箱は「重要」扱いしたメールであふれ返り、一向に減らない――ストレスは今も続いている。

Maybe a storm?, Ricoh GRiiix, 11/2025
Maybe a storm?, Ricoh GRiiix, 11/2025

ちょうど zo.computer のローンチ(面白い!)を見かけて、「そういえば Pipedream に、対応サービスなら何でもつなげられる MCP サーバーがあったな」と思い出した。つまり、これでメールも扱える! 問題は解決! …と思ったら今度は別の問題が発生! …しかも次々に増える! なんで数えてるんだ!

どうして? なぜ? そして人類は絶滅に向かっている

俺はメールが好きだ。普段はうまく回せるんだけど、量が爆発すると放置してしまい、状況は悪化――みんなが損をする。

要は、気負わずにメールを始められる仕組みが欲しかった。Claude Code を使うとそれがすごく楽になる。

  1. 必要な MCP サーバーにつないだ Claude Code セッションを起動
  2. 「受信箱をチェックして」と頼む
  3. 未読→既読の順で対処すべきメールを教えてくれる
  4. 「処理を始めようか?」と提案するか、関連情報やカレンダーを調べつつ賢く下書きを作り始める
  5. 「完了!」と報告
  6. メールクライアントで下書きを確認。大半は軽く手直しして送信、いくつかは却下
  7. 繰り返す
  8. Bacon(訳注:原文お決まりのオチ)

たとえば「兄貴から感謝祭の予定を聞かれてるよ」と教えてくれたら、「了解。“行くよ。ターキーのジュース──つまりスタッフィング──を持っていく” と伝えて」と返すだけ。すると過去メールの文体を学習したうえで、ほぼそのままの下書きを作ってくれる。

必ず「下書き」として保存し、送信前にしっかり確認する。

コードを書かせるのはぜんぜん平気だけど、友だちや取引先に送るメールを丸投げできるほどには信用していない。あと一歩で YOLO モード(自動送信)に行けそうだけど、まだ様子見。別アドレスで試すかも? 誰にもわからん。

驚くほどよく働く。ただし落とし穴もある。

笑えない笑い話

少し前、自作コードでメール仕分けエージェントを試作していた。そこそこ動くが完璧ではなかった。そんな折、友人経由で「AI についての本を書ける人」を探している方を紹介された。エージェントは「AI の影響を懐疑的かつ学術的に論じられる著者希望」と要約。俺は「面白いけど自分向きじゃない。友人を紹介しよう」と思った。

ところがバグで、エージェントが確認前に下書きを作り、そのまま送信。「ぜひ私にやらせてください」という超フォーマルなメールが相手に届いた。相手は大喜びで「やりましょう!」。そこで自分のミスに気付き、「すみません、エージェントが先走って返事しました。本当はこう言いたかったんです」と送信。相手からは当然「F U(くたばれ)」と返ってきた。

こいつらは完全には信用できない

だから今回は慎重だ。エージェントには「送信禁止・下書きのみ」の権限しか与えていない。今のところ全メールを少しずつ直しているが、手直しは徐々に減っている。1年前のコード生成と同じ感覚だ。

今のところかなり快適。普通なら放置しがちなメールを一気に片付け、本当に返信したいメールに集中できる。ベンダーやサービス系の雑草を刈り取り、友人とのやり取りという花を守る――理想的な AI の使い方。おすすめ。

俺の環境を複製する?(挑戦者求む)

毎回ゼロからは面倒なので、超シンプルな Claude Code “ディレクトリ” を作った。受信箱の仕分けに必要なものはほぼ入っている。

📁 .
├── 📁 .claude
│   ├── 📄 CLAUDE.md
│   ├── 📄 settings.json
│   └── 📁 skills
│       ├── 📁 crm-management
│       │   └── 📄 SKILL.md
│       └── 📁 email-management
│           └── 📄 SKILL.md
├── 📄 .mcp.json

いくつか要点を押さえておく。

CLAUDE.md

ここは超パーソナルで超重要。まず過去数百通の送信メールを Claude に読ませ、「俺のメールのノリ」をつかませた。やり取りの末、今はこうなっている。

1. **スレッドを探す**: 元メール/スレッドを検索して文脈を把握
2. **詳細を取得**: thread ID・message ID・宛先アドレスを取り出し正しく紐付け
3. **カレンダー確認**: イベントがあればカレンダーに追加
4. **メールを下書き**:
    - **重要**: `To:` アドレスを必ず明示(MCP は自動抽出しない)
    - とことん簡潔に(必要なら温かみをプラス)
    - Harper の声を再現(カジュアル・直球・無駄なし)
    - 署名やあいさつは不要
5. **必ず下書き保存**: 直接送信しない
6. **正しくスレッド化**: thread ID と in-reply-to message ID を必ず指定
7. **フィードバックで更新**: Harper が直したら反映

スキル

大量のメールを処理しながらコーチングし、いい感じになったところで Claude に「スキル」としてまとめさせた。

## コア原則

1. **常に下書き・決して即送信しない**
2. **スレッド紐付けは生命線**
3. **Harper の声を厳守** ― 超簡潔・カジュアル・署名なし
4. **構造化データを抽出** ― イベント・アクション・連絡先など
## 成功の判定基準

- 下書きが正しいスレッドに入っている
- Harper が「問題なし」と言って修正不要
- カレンダーが自動で更新されている
- 受信箱サマリーで重要メールが浮き彫り
- 全体として効率的で自然に感じる
## 覚えておくこと

Email は Harper の声で行う個人的コミュニケーション。
時間を節約しつつ「本人らしさ」を保つのが目標。
迷ったら:短く、ラフに、まず下書き。

Claude 自身にスキルを書かせるのは本当に便利。とにかく反復が大事。

ツール!

MCP という概念にはまだムッとするけど、便利すぎて使わざるを得ない。Claude Code にツール一式を渡すと仕事がはかどる。

{
  "mcpServers": {
    "pd": {
      "type": "http",
      "url": "https://mcp.pipedream.net/v2"
    },
    "pagen": {
      "type": "stdio",
      "command": "pagen",
      "args": ["mcp"],
      "env": {}
    },
    "toki": {
      "type": "stdio",
      "command": "toki",
      "args": ["mcp"],
      "env": {}
    },
    "chronicle": {
      "type": "stdio",
      "command": "chronicle",
      "args": ["mcp"],
      "env": {}
    }
  }
}

Pipedream

Pipedream MCP はとても簡単。Claude Code に追加して認証し、各サービスをつなぐと MCP ツールとして使える。俺は Gmail・Google Calendar・Contacts を接続中。

その他:自作 MCP サーバー3種

Toki

CLI ベースのシンプルな TODO トラッカー(将来的に複数バックエンド対応予定、今はローカルのみ)。

Chronicle

エージェントの行動を全部ログに残すツール。

pagen

CRM をうっかりミススペルした personal agent バックエンド。

まとめ

強力なスキル、CLAUDE.md、そして MCP ツールの三位一体で、メール仕分けがかなり楽になる。完璧ではないが十分便利。試す価値はあるが、盲信は禁物w

やってみる?

このセットアップ用にシンプルなプラグインを作った。インストールするだけで動くはず!

インストール手順:

/plugin marketplace add harperreed/office-admin-claude
/plugin install office-admin
/setup-office-admin

※YMMV(結果は人によって異なります)

これは間違いなく未来だ

好き嫌いに関係なく、エージェント型メールは来る。今は黎明期だから、俺みたいにカスタム体験を作る人が増えるだろう。Google も Gmail に直接機能をねじ込んでくるはずだが、たぶん微妙に動かない。ベストなのは Mimestream や Superhuman のような「エージェント前提」クライアントだと思う。チャット UI だけになるのは勘弁だけど、さてどうなるか。

大量のメールを抱えているならぜひ試してみてほしい。俺は雑草(ビジネスローンの勧誘など)を刈り取り、みんなという花を守るための「brush clearing」として使っている。

プライバシー? 何それ?

メールは Pipedream と Anthropic を経由している。プライバシー上の懸念はある。早くローカルで動かし、Google Workspace と直接やり取りできる MCP サーバーが欲しい!

用心してね

Not even once, Leica Q, 11/2017
Not even once, Leica Q, 11/2017

他人に影響する権限をエージェントに渡すのは本当に怖い。俺の場合はうまく機能しているが、試行錯誤の中で盛大にやらかしたこともある。

受信箱はいまピッカピカ。DO NOT SEND ME EMAILS! IT IS BEAUTIFUL!

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